暑熱は2か月後精液に悪影響

　豚は暑さで、熱が体内に蓄積されます。暑熱の悪影響は暑熱ストレスと言われ、種雄豚では精液品質を低下させます。初秋以降の繁殖低下の原因にもなります。

　なぜ秋かというと、精子は精巣で形成されるのに40～60日かかるので、暑熱ストレスの精液への悪影響は２か月以降まで及びます。まずは水とファンを。すぐできる暑熱対策も参考に。

　暑熱ストレスのほか精液品質に関連する管理因子は、品種、背脂肪厚、グループ飼育、光管理、飼料量の制限、Ｌカルニチン、採取頻度、採取ペンのデザインがあります。詳しくは繁殖ページの繁殖2のタブ「人工授精用精液のリスク因子と管理因子」で。

　下図は雄豚の精巣のなかにある細精菅の横断面です。ここで精子をつくっています。精細管の外側から中央の腔に向かって精子が、丸い細胞から変態しながら形成されていきます。真ん中に精子が集まっています。精子が完成するのに、40日から60日の時間がかかります。繁殖ページの繁殖生理も参考に。提供米国オクラホマ州立大学。