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英国そしてドイツの凋落

  • koket001
  • 9月30日
  • 読了時間: 2分

 英国は1999年からの早すぎた福祉政策で生産量が50%近く減少してしまいました。

 2025年現在で、国内豚肉需要を満たすために40~45%を生産する能力しかありません。英国への輸出国はスペイン、デンマーク、オランダです。とくにスペイン産が伸びています。

 英国産豚肉は輸入物よりも価格が 10~20% 高く販売されています。ただし、消費者データのパターンでは、2種類の豚肉製品から選択する場合、消費者は安価な方を選択します。

 養豚の先進国であった英国は、政策・行政による動物福祉重視への急激な変化で、大きく凋落しました(下図、英国の飼育頭数の推移、日本は対照例)。

 2000年、米国Leman学会で、英国の学者Dr. M. R. Muirheadは、政府による行き過ぎた福祉政策で英国の養豚農家は大きな困難に直面していることを訴えました。


 2011年英国報告書では凋落の原因として以下のことが書かれていました。

  • 動物福祉の法律施行、1999年以降、10年で飼育頭数が40%減少した

  • 高く販売できるはずだったのに、消費者アンケートの限界

  • 口蹄疫の発生、2000年

  • 飼料価格の高騰

  • と体と部分肉販売のアンバランス

  • 国債競争力を失いデンマークとオランダに市場をとられた。需要は伸びているのに。

  • 一番大きな問題:生産者が「自信」を失った

 飼育頭数が40%減少したというのは衝撃でした。農家戸数は減少しても飼育頭数はそれほど変わらない、というのが各養豚国の現状だったからです。さらに「生産者の自信を失った」つまり生産者が意欲を失ったのです。1度失った飼育頭数は元にもどすのは難しい。


 さらにドイツが急速に凋落しています。2010年にが母豚220万頭でしたが、2024年には130万頭まで減少しています。ドイツは欧州随一の養豚国だったのですが。

 福祉政策と厳しい環境規制のせいと言われています。ドイツの前農業食料大臣はベジタリアンだったそうです。ドイツ農家は無念だったと思います。

 詳しくは福祉ページで。日本も他人事ではないのです。一度減った母豚数は戻りません。両国の失敗から学べることは重い。


ree

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